箱崎埠頭を10:05分に出発した体験航海部隊はおよそ2時間半の航海の後、玄界灘沖に到着。幸いなことに海上は好天に恵まれ波もあまりなく、船酔いするような気配はカケラもなかった。ここで展示が行われるらしいのだが、なにを展示するのかというとヘリやら潜水艦やら諸々の兵器群!
12:30頃より、俺の乗ったこんごうの左手前方から「はるゆき」「きりさめ」「しまかぜ」「いそゆき」「おおすみ」「あまくさ」「巡視船はかた」の順番で横をすれ違って行く。
左手前方から横をすれ違って行く、水上展示第1群先頭の護衛艦「はるゆき」。これに「きりさめ」が続き、三隻目の「しまかぜ」が礼砲(空砲)を撃つ。この時点で既に俺のハートは鷲掴まれっぱなしの首ったけ状態。
すれ違いざまの輸送艦おおすみ。この写真だと多少はデカさが伝わるだろうか。ちなみにこの「おおすみ」は、俺が乗っている「こんごう」より縦も横も一回り大きいのだが、このデカい本体内にLCAC-1級エア・クッション型揚陸艇を2隻搭載しており、更にはその2隻が発進お目見えしてくれる。エア・クッション型揚陸艇っつーのはホバークラフト型の船って言った方が一般的だろうか。しかもコイツが25mプールぐらいのサイズがある。
おおすみの後部ハッチ。ここが開いてエア・クッション艇が出て来る。ちなみにこれら水上展示第1群の各艦はこんごうの横をすれちがう際に敬礼のラッパを鳴らし、こんごうからも答礼のラッパが吹かれる。すれ違った艦艇はUターンしてこんごうの後ろに並び隊列を組む。
ここから航空展示部隊も加わる。こちらは陸自ヘリコプターCH-47J。シビリアンの一員としては陸・海ともに仲良く国防に当たってくれるくれることを願うばかりです。キミらが守るべきは己の自尊心ではなく国土と国民なのですよ。……とはいえ平和ボケして理解の無い国民を守るモチベーションを維持するのが大変難しいであろうことは察するので、防衛力すら認めないようなプロ市民どもは守らなくていいから……って言っても、守っちゃうんだろうなあ。泣ける。
お次は空自の支援戦闘機F-2。当たり前だけど戦闘機だから速いのなんの。現れたと思ったらピント合わせる間もなくあっという間に飛んで行くもんだから写真もこのザマ。
LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇によるレインダンス
こちらがエアクッション艇。先に述べたようにおおすみから発進したこちら2隻、25mプールぐらいデカいのに75kmもの速度で高速航行を見せてくれたり、もう1隻はグルグルと回転しながら横を通り過ぎて行き、霧のカーテンを張ったような曲芸航行(写真。レインダンスと言うらしい)も見せてくれる。
このエアクッション艇登場の前には、これより更に速いミサイル艇「おおたか」「しらたか」の2隻がこちらも80kmという高速航行をしながら海面に円形の航跡を描くという演出をしてくれるのだが写真を撮り忘れてしまった。とにかく至れり尽くせりの展示会。
HOS-302
お次は潜水艦。エアクッション艇に気を取られていて残念ながら浮上するシーンは見られずだった(そもそも浮上シーンがあったのかどうかも謎だ)が、それでも……さすがは潜水艦というかなんというか、なんとも表現し難い迫力。羽に乗っかってる三名の水兵さんはラッパ隊だと思うが、任務とはいえあんな不安定そうなところに立ちたくないです。
SH-60J
海自哨戒ヘリSH-60J合計3機がこんごうのメチャメチャ近所を飛んで行く。
この機体(93番。上の写真とは別の機体)なんざ、接近し過ぎでこんなにデカく撮れちゃった。一緒に見ていた元陸自の友人曰く「このパイロットはあとで怒られますね(笑)」とのこと。確かにものすげー近所を通り抜けて行った。写真をクリックして拡大してもらうと判るが、ヘリの中で手を振っている人が見えちゃう。
個人的に今回の展示で一番燃えた風景がこちら。こんごうの横をすれ違った水上展示第1群はその後Uターンをしてこんごうの後ろに並び隊列を組む。守るも攻めるもくろがねの、いや基本的には専守防衛ですが、この美しい艦隊運動を見れば100年前この海域のもうちょい北の対馬水道にてロシアのバルチック艦隊を相手にパーフェクトゲームを演じて見せたのも納得というもの。

とまあ以上のような感じで展示は終了。個人的には対潜哨戒機P3-C(よくゴジラを発見する飛行機)の写真を撮り逃したのが大変痛いのだが、ちょっと前には弾道ミサイルの迎撃テストすら成功させたイージスシステムを積んだこんごうに乗せて貰えただけでも十二分に感動ものなので、これ以上の贅沢は言わないでおく。

日本は四方を海に囲まれた海洋国家であり、海軍力はそのまま国土・国民の防衛力に直結するもの。特に日本海・東シナ海を挟んで隣にあるのは両方ともキチガイ民族によるキチガイ国家というトンデモ罰ゲーム状態が長く続いている現状を思えば、保守系市民として海軍力充実への更なる理解を深めたいところであり、今回のイベントはその要求に十二分に応えて貰えるものだったと個人的には大変満足しております。海自の皆様、大変お疲れさまでした。これからも多数の国民の無理解に負けず精進を重ねて下さい。

日本列島が我が家だとすれば、これらの装備はつまり「自宅のセキュリティ用の道具」なわけです。かつて治安の良かったころは家に鍵をかけなくても大丈夫でしたが、哀しいかな今はそういうワケには行かなくなっておりますし、それは自宅だけの話ではなく、国土に関しても同じ事です。現実に、半島から発射された弾道ミサイルが列島を飛び越し太平洋に着弾したことすらあります。我々日本人は今一度、自分自身の身の安全はまず自衛隊によって国土が保全されていなければ始まらないということ、そしてその自衛隊を生かすも殺すも、シビリアンである我々次第なのだということを肝に銘じるべきだと思った次第ですよと。

< 護衛艦こんごうに乗った(前編)

コメント (1)

k:

前略 自宅の防犯装置のようなモノ~素晴らしい表現に感銘しました。
 明日、観艦式予行で「こんごう」に乗船してきます。乗船前の予習として読ませて頂き大変参考になりました。
 今後とも益々ご健勝下さい。           草々

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2008年07月31日 02:04に投稿されたエントリーのページです。